さよなら俺の平穏

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「…よし、中々いい褒美が思い浮かんだぞ」 それからアンパンを食い終えたのと同時に再び謎にスッキリしている顔を上げた。 「え、褒美?」 「褒美と言ったら新入生歓迎会のことだろ」 それを聞いて俺の頭は真っ白になった。 「…え、もしかしてそれで俺の部屋に来たんすか?」 「そうだ、司会の人が説明していただろ」 「いやいやいや…え、俺?裕二じゃないんすか??」 前食堂で会った時にも裕二にキスしていたぐらい好意を抱いていたはずだ。それなのに…嗚呼、思いっきり油断してた。 「裕二か…あいつは前の不清潔な容姿だからこそ好いてたんだ。なんかまるで、いじめてくださいって言ってるみたいだっただろ?」 うーん、全然わからない。 「ええ…じゃあただ単にサディストとして見てたんすか?」 「まあ、今の綺麗な容姿になってから萎えたしそうかもな」 思わず頭を唸らせた。恋愛対象として見てなかったとは、初耳である。 「それなのに、キスしたんすか」 「…まあ小さい頃は外国に住んでいたこともあったから、行動に出ちゃったのかもしれねえな」 いや出ねえよ。なんだそのやっちゃった的な言い方。 …つーことはあれか、亀甲縛りなんかされたせいで会長が俺のMの可能性を感じて俺の部屋に来ちゃったのか。あの時会長が通りかかってなかったらここにも来てなかっただろうし、色々不運が重なってばっかだな。会長と仲良くなれるのは良いんだけど、今度は親衛隊がトラウマレベルで怖い。 「はあ…それで、褒美って?何がいいんすか?言っとくけどお金に関わることは無理ですからね」 「ああ、2つ思いついた」 会長がドヤ顔で数字を表してるだろうけどピースサインをした。 「いやいやいや、なんすか2つって1つでしょうが普通は」 「1つだけなんて言ってなかっただろ」 うわあ屁理屈にも程がある…なんて性格がクズなのでしょう。 …言い返しても多分考えを改めてくれる気がしないので黙った。 「ふふ、従順でいいな。とりあえず1つ目から。1つ目は、明日休みだろうから一緒に遊びに行って欲しい」 「…は?会長と?」 「なんだその以外そうな目は」 「いや、もっとクズな命令してくるかと思って」 「お前が俺のことをどんな風に見てるかよくわかった」 「え…またそんな不機嫌にならないでくださいよ」 最初は威圧感があって大人っぽいと勝手なイメージを持っていたが、今見るとやっぱり会長は子どもっぽく感じた。
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