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翌日。約束の時間より念を入れて早く起きて準備し終えたのと同時にインターホンが鳴った。
時計を見てちょっと早いなと首を傾げながら扉を開けた。
「はよざいま…あ?なんで副会長?」
なんと目の前には手を軽く上げて超オシャレな私服スタイルで王子様流スマイルを顔に貼り付けている副会長がいた。
「よお正樹ー!とりあえず中入れて!」
「…まあ、いいっすけど」
デジャウ感を覚えながら中に入れた。
すると露骨に顔を顰めながら昨日の会長のように部屋全体を見渡し始めた。
「なんだこの…」
「狭くて地味な部屋で悪かったっすね、はよ帰ってください」
「えっ!なんで僕が言おうとしてたことわかったの?」
昨日会長にも言われたからだよ。
だが皮肉なつもりが目を輝かせながら俺を見つめる副会長。あれ、逆効果だった?
「…とりあえず、こんな早い時間に何しに来たんすか」
「んふふ、誤魔化せないぞ〜お前と会長がデートすることは知ってるんだからな」
ニヤニヤしながら二の腕をつんつんと突っついてくる。なんだコイツ。
「誤解っすね。デートじゃないしただ遊びに行くだけっす…つーか何で怒ってんすか」
副会長はギクリとして目をパチクリする。
「…え、それもわかったの」
「…雰囲気っつーか…勘で?」
「勘って…正樹って鈍いようで鋭いね、そういう所好き」
「ど、どうも?」
唐突な告白に引き攣った笑みを浮かべて礼を言った。
対する副会長はつまらなそうな顔をしてぶつぶつと不平を呟いた。
「…だってさー、咲也が誰かと一緒にデートって…なんか先越されたみたいじゃん?」
咲也って誰だ?と一瞬思ったがこの話の流れからしたら会長のことだろうなと察する。
「でも会長もモテそうだし今更じゃないすか?後デートじゃないです」
「違うんだよ、あいつ生徒会の奴ら以外で一緒に遊んだことないんだぞ?親衛隊長でもだ」
「…え」
「しかも2人きりとか…多分お前が初だぜ?」
それは初耳だ…思わず目を見張った。だがすぐに頭を唸らせる。
「…でも昨日の歓迎会の褒美で言われただけだし、会長も仕方なく誘ってきたんだと」
「それでも普通の咲也ならもっとクズな命令するよ!全財産俺に寄越せとか、臓器売れとか!」
さすがにそれはいくら何でもクズさを盛りすぎなのではと思ったが頷いといた。
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