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「でも先越されたって、副会長もモテるでしょ?裕二もいるし」
…あれ?なんかこれもデジャウの匂いがするぞ??
「裕二かー、裕二も前の姿がよかったんだよな、M仲間みたいで」
「お前らまじでめんどくせえな!」
「えっなんで急にキレるの」
怯える副会長に対しハッとして取り乱してしまったとゴホゴホと誤魔化すように咳をした。
「…副会長も親衛隊長と出かけたりするんじゃないですか」
「うーんするけど〜僕にとっては遊びみたいなもんだからなあ」
「アンタ今かなりのクズ発言しましたね…」
「いやーだから咲也が真剣に向き合う相手が出来るというのがなーんか悔しいというか」
「じゃあアンタも作ればいいじゃないすか」
「うん、だから僕も一緒に混ぜてくれないかな!?」
「ええ…今の流れで?」
こいつが真の宇宙人なんじゃないのかと思えざるを得ない会話っぷりだ。
「それにさ、ほら、お前らのこと邪魔したいし!」
「本人目の前にしてよく言えるっすね…でもアンタドMなんでしょ?その羨望も快楽になるんじゃないすか?」
「それとこれとは違うんだよ!」
すると良いのか悪いのかよくわからないタイミングでインターホンの音が鳴った。
会長だと瞬時にわかって、副会長も察したのか苦りきった顔をしていた。駆け寄って扉を開けるとまた超オシャレな私服コーデの会長が佇んでいた。
幻覚なのかキラキラと光っているように見える。
「おはよう正樹。それで…なんで蒼がいるんだ?」
一見微笑んでいるが中にいる副会長に目を向けると瞳が真っ黒に。ヒエッ怖…。
「お前と正樹がデートするのを知ったから邪魔しに来たんだよーんお尻ペーンペン!」
不細工な顔をして尻を叩きながら会長を挑発する。普段の王子様ver.からしてはあまりにも想像出来ない姿だ。ガキ臭すぎる。
「今日はドM専用ケツ叩機マシーンを一日中貸してやると言っただろ…!」
「もうあのマシーンは使いすぎて飽きたっつうの!」
こいつらの話が上級者向けすぎる…。
とりあえず間をとって話掛けた。
「会長、副会長も一緒に遊びに行きた」
「駄目だ」
即答だった。
「…ふふ、いいよ別に。それなら君達がデートしてたってことを全校生徒にバラすから」
「……」
それを聞いて悪い顔をしながらくすくすと笑う副会長に絶句した。結構とんでもない奴だった。
それは俺が困るため会長に懇願する目を向ける。
会長はそんな俺に気づいたのかしばらく無言で頭を悩ませるが、やがて折れたのか副会長に了承した。
「…わかった、お前も一緒でいい」
「よっしゃーい!」
余っ程嬉しいのかその場でぴょんぴょん跳ねて喜んでいたが、俺の気分ゲージはさらに減少したのだった。
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