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カレーが届いてから裕二は食べることに夢中になりだしたが、裕二相手でさえもある意味危険対象になってきたかもしれねえ。
さっきの光景を思い起こすたびになんとも言えない恐怖からか背筋がひやりとする。
…さっきのは裕二なりの愛情表現だよな。うん。あまり気にしないでおくのが吉だな。
疲れからか他の人にはバレない程の小さいため息が出た。
「キャアアアアアアアアアア」
「ワアアアアアアアアアアア」
「!!?」
まるでライブで興奮して叫ぶ人達のような唐突の奇声に俺と裕二は飛び上がるほど驚いてしまうがイケメンズは慣れているかのように刺々しい表情のままうつむけていた。
他の生徒らが集中して見ている視線に流れるように俺もそこへ顔を向けると、イケメンズどころか5、6人程のイケメングループがこの食堂の全員の視線を集めていた。
「キャー抱いてー!」
「抱かせろー!」
やめろキモイキモイ普通にセクハラ発言だろそれ。だって遠回しに「おせっせしろー!」って言ってるのと同じだからな。
じーってそのイケメングループを見続けているとそのグループ内で何かを話していた1番なんだか凄そうなオーラを放っている人と目が合った。
するとなんていうことでしょう。どんどんこちらに向かってくるではないか!
「ちょーっとトイレに行ってこようかなー」
「おい逃がさねえぞ」
「ひえ…」
椅子から立ち上がった途端に声を掛けられる。振り向くとそこにはやっぱりやべえオーラな人。
「お前が今日転校生してきたヤツだな」
「え、違います」
「そうですよ、裕二はこんなへんてこりんてでぷっちょみたいなヤツじゃありませんよ」
するとオーラの人から後ろからひょっこり王子みたいな人が出てくる。てかなんだ初対面なのにその口は。
「あ!蒼ー!!」
「裕二!朝ぶりです元気でしたか!?」
人が変わったように裕二の元へ駆け寄りキャッキャと嬉しがる。なんだその変わりよう気味悪ぃ。
とりあえずその場の空気が色々と怖いのでその場からトイレに撤収することにした。
目立たないように行ったのもあるのか風早にはバレずに逃げられた。
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