始まり

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「ふーまじ怖かったあの空気ってなんでいるんだよ水瀬」 食堂から出たら水瀬がドアから覗き見していた。 「しー!」 「いや、しーって言っても食堂の中がうるさいんだから意味ねえだろ」 「あ!待って今チューしてるよ会長と王道宇宙人が!」 「え、見たくねえから腕引っ張るなほんとに」 「あーなんか宇宙人くんがキスされたせいか泣いて怒ってる」 「は?まじかよやっぱ見せて」 「ほいよ」 水瀬は俺が覗き見するスペースを空けてくれた。結果2人並んで覗き見することとなってしまったがこの際もうヤケクソだ。 「わーすげえ会長のこと殴った」 「あ?あのオーラが違う人って会長なんかよ」 「うんそうだよー関わらなくて正解だよマサキっち」 「ならよかったわ」 「親衛隊にも目ぇつけられちゃうかもしれなかったからねー」 「…ん?なんだそれ聞いてねえぞ俺」 「あー確かに言ってなかったかも、じゃあ説明するね。生徒にファンが付くのはまあよくあるパターンじゃん?そのファンが親衛隊となってその生徒を支援することが出来るの。まあ簡単に言うとその生徒が好きな人同士で結成しているファンクラブ的なヤツだよ。だから制裁とかっていって邪魔な人をその団体で蹴散らしたりしちゃうんだよねー怖い怖い」 それを聞いてまさかかもしれない考えが頭に浮かんだ俺は顔が真っ青になる。 「なあ、もしかしてだけどよ、さっき俺と接してたイケメン2人がいたろ。あいつらももしかして…」 「あー全然いるよ!てか親衛隊の数も結構上位の方行くんじゃね!?」 目の前にいる愉快そうな笑みをぶん殴りたくなった。 「なんで俺に言ってくんなかったんだよ!少しかもだけれど接触しちまったじゃねえかあああああ」 「あははーごめんごめん」 目を釣りあげながら怒るもケラケラと笑う水瀬。 「おい、それで俺になんかあったら許さねえからな…」 「まあまあ、でも宇宙人くんよりは全然比にならないくらい関わってないからまだ大丈夫だよ」 その言葉には妙な説得力があった。確かに裕二は結構あのイケメンズを連れて廊下とかを移動しまくってたから見られてた数も明らかにあっちのが多いし目立つのも裕二だろう。 「確かに…そうかもな」 食堂内で泣きながら怒鳴り散らしている裕二を見る。あいつが仮にいじめられたとしてもイケメンズ2人が守ってくれるだろうし安心だな。 「俺は、ゴリズンが好きなんだよおお!!」 やっぱ安心出来ないかもしれない。驚愕の発言をした裕二に変な笑みが浮かんできて沢山の汗が頬を伝った。
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