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「まあ。母さんが亡くなってからなんでも一人でやって来たよ。お前と違って私にはそのピタッと感は無縁のものだったな、まあなんでも一人でやって来たから、それは大丈夫さ。適当他人と合わせているのも疲れるから、気楽といえば気楽だし。まあ普通に時間を使っているということだな」
久しぶりの父との食事、父はいまだに最後までうまく本音で付き合えなかった母とのことが頭から離れないようだ。
母を愛していたけれど同じくらい手を焼いていた。
母は娘の私がいうのも変だけれど本当に女そのものという人だった。
とても感情的で、常に理不尽で、要求度は高いけれど感謝の表現は薄い、感謝はしているのだけれどいつもされることに慣れてしまっている。
父は理性的に頭ではわかっていてもその高い要求に時に答えられなくて戸惑っていた。
でも結局頼っていたのは父の方なのだろう、母がいなくなってからはいつもどこか寂しげで、満たされない思いをしているようだ。
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