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崩壊
砂時計が時を進めていく
砂が少しずつ削られる
心が削れていく感覚
絶望の音色は聴き慣れている
幾度と無く慟哭しても、それは消えないもの
死の瀬戸際とまで行かずとも、清濁雑じる心に色は無い
私は何故生まれたの? 誰にもわからず答えもなく、何処へ消えて何処へいく?
未来が見えぬ者は何処へ行く? 奈落か、地獄か、常闇か。
先行く者は栄光と共に敗者の恨みも背負う事を知らず、光を閉ざされた時に奈落に消える
無限連鎖の輪廻を断ち切るもの
解放救済の涅槃を導く者は何処にもいない、幾度も、幾度も、深く刻まれ苦悶する
それでも私は生きている
心の色彩はまだ消えてはいない
消えない内は、世界を描き出せるのだから
壊れる刹那まで、色を使って私は描く
届かぬ未来に願いを託して
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