狂い咲きマリオネット第二幕

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 堕胎されて尽きる灯火、崩落する天上世界、虚ろなる者が人を殺す。  栄華は一時の観劇に過ぎず悲劇をもって終幕と相成る、果てのない強欲をもって幸福を貪り食う鼠の如き人類種。  嗚呼我等が神は何と愚かな選択をしたのだろう、世界の担い手を殺戮する者を生み出さずに解き放つとは。  幻想を作りて逃げ隠れするかのように暴利を振るう者共、己の劣悪さを認めない者共、下劣なる者の烙印を押してあたかも正義を振るう者共、そうした者が蔓延る世界に未来などないだろう。  終わりの果てに世界は何を夢見るか?  終わりの果てに人は何を惨殺するか?  四面楚歌の世界はいつ力尽きて崩れ去る、閉ざされた太陽が冷厳なる世界をいつ作る?  堕落せし魂の行く先は天か地か、あるいは輪廻し涅槃を超えて昇華するか消滅するか。  我等は独唱し続け破滅を織り続ける、束ねた音色が生命を削り行く事を知らずに奏でていく。  その果てに齎される阿鼻叫喚地獄絵図を前に屈するなど傲岸不遜もいいところ、自ら招いた極彩色を前に染められ朽ち果てるがいい。  変革を欲するならばそれぐらいの舞台を作ってみせなよ、禁断の箱を開ける覚悟もなくて戯言を口にするなど馬鹿らしい。  私は覚悟はできている、だから構わんよ。  私は常に孤独なるマリオネット、自ら糸で繋ぎ狂い踊る愚か者、だからこそ凶刃を躊躇いなく振り下ろせる。  私はそれしか知らない、そういう殺し愛でしか誰かとわかりあえない……ひと想いに愚かなる道化人形を殺してくれ。  私はいつも願っています、より良い未来を……私の望む未来に、私はいなくていい、もう手遅れなのだから。  
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