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蒼穹の下に雛百合が咲く。
呪詛を纏う黒百合を慕う。
何故お前はついてくる。
何もした覚えはないというのに。
物好きだなと思いつつ、まだ知らないのだなと気付く。
かつての自分もそうだった。
かつての私もそうだった。
いや、今も残るものが……穢れを知らぬ思いがある。
雛百合だけではない、愚かなる黒百合を慕う者……認める者は多いと気づく。
失ったものは大きい、無くしたものも大きい、別れは辛い。
得たものは果たしてそれに足りうるのか?
わからない。
だがひとまず見守るとしよう。
過ちを繰り返さないと祈りつつ。
光の下にいる者達の安寧を祈りつつ。
黒百合の花は今日も咲く。
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