大きな声で勇気をもって

叫ぶ言葉はこのように沢山あるが日常生活において実際に叫べる機会というのはそう多くない。
それどころか声を発することすらはばかられるのがほとんどだ。
人間が口から声を出すために必要なのは理由だ。理由のない発声は混乱を招く。
会議中に「あっ」と一言でも発すれば誰もが振り向き意見を期待するし、街中を大声で歌い歩く人がいたら皆が目を背ける。雨の夜に映画の中なら歌って踊ってもいいが。
しかし逆に理由さえあればどんな場面でも叫ぶことは可能だとも言える。
試験中でも先生を呼び体調不良を訴えることは出来るし、クラシックのコンサートには叫びたいあまりブラボーをフライングで叫ぶブラボーおじさんが現れるという。
美術館？　お葬式？　涙が流れる場所に叫びがあってなんの問題があろう。
お笑い芸人が5分で描いたよく分からない絵だろうが100歳を超える一度もあったことのない親戚の死であっても誰がそれを表立って揶揄することが出来ようか。