会いたかった?フランスからきた帰国子女

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 ぐいぐいっと胸元を押して離れたいことを示すが、北大路はがっちりと腰に回した手を離そうとはしない。むしろこの状況を楽しんでいるようにも見えた。 「離して平気? まだ腰抜けてるんじゃないの?」 「へいきだって」 「うそだ」  軽く手を緩めると簡単にガクッと落ちてしまう。そしてなにより、落ちそうになった時、北大路の腕を掴んでしまったことが情けなくて仕方がない。俺としたことが縋ってしまうなんて。 「晃くん、嘘は良くないよ」 「うそじゃねぇ、ゆっくり地面におろせ」 「保健室に運んであげるよ」 「いらねぇ。お前に運んでもらうくらいなら、ここにいた方がマシだ」 「僕、随分嫌われてるみたいだね」
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