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そういえば、コイツはフランスと日本のハーフだった。黙ってれば……ちょっとは格好良い容姿してんのに。
「なに、見とれちゃった?」
見入っていた事に羞恥心が隠せない。そっぽを向いて、唇を噛んだ。
「チ、チガウ」
「あはは、なんでカタコト」
「うるせぇ、まじで見とれてねぇからな。自惚れんなよ……!」
「そんな怒んないでよ。ほら、注目の的だ」
この道は小学生から高校生まで多くの学生とサラリーマンが使う。特にこの時間帯は人が多い。だから、中学生がこちらを見ながら話の種にしているのが視線でわかった。
「ま、まぁ、そんな落ち込まないで」
「お前が気色の悪い事ばっか言うからだ……!」
「ご、ごめんね。まさかそんなに図星だったとは思わなくて」
「ず、ずぼしじゃ、ねぇ……!!!」
北大路は俺を刺激するのが好きなようだ。まんまとのせられて、一人で怒ってバカみたいじゃねぇか。コイツと足並みを揃えないように早めに歩いた。
「あ、ちょっとまってよ……!」
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