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金髪にしたのは一ヶ月前の事、突発的にイメチェンしたい気分になり薬局でブリーチ剤を買って兄貴に手伝ってもらったのだ。
もちろん校則で毛染め禁止なのは知っている。だけどやっぱり欲には勝てなかった。すでに生徒指導を三回ほど受けているが全スルーしているので先生も諦め始めている。継続は力なりとはこの事だな。
「今、すっごい頭の悪い事、考えてるでしょ」
返事を返す前に間宮が眉間にしわを寄せながら顔を覗き込んだ。俺と唯一身長が同じで中性的な顔立ちをしている間宮は女に間違われる事が頻繁にある。
「まだ、何も言ってねぇだろ」
「言わなくてもわかるよ」いつもの調子で答える。
間宮曰く俺は表情に出やすいから考えている事が分かりやすいらしい。感情ダダ漏れってだらしなくてカッコ悪いから直したい。もっと強面のクールな男になりたいのが本心なんだけど。
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