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「何がじゃねぇだろ……! 返事ぐらいしてやれよ」
顎に手を当てて右上を見ながら、そうだなあっと独り言を漏らした。
北大路がごほん、と咳払いをすると場がシンっと静まり返った。
「お誘いありがとうございます。ですが、部活動をする気は一切ありません。……では」
そう言って俺の手を引っ張って歩き出した。
「ほんとに良かったのかよ」
「どうして? 入部して欲しかった?」
「勿体ねぇなって。だってお前さ、運動神経良いし、頭も良いから、どの部活動入っても活躍出来るじゃんかよ」
素直に思ってる事を口にすると、北大路は目をおっぴらいで瞬きを繰り返した。
「あ……あきらくん」
「なんだよ」
「変なもの食べた? 」
「はあー?!」
「いや、ぼくのこと褒めたから」
「褒めちゃ悪いかよー!」
「ぜんぜん!」
「なんだそれ」
北大路のひとり慌てふためく姿が可笑しくってつい笑ってしまった。
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