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重しが乗ってるのを疑うくらい頭が重い。狭い視界の中で辺りを見渡した。顔面ホームランでぶっ倒れて、ここに運ばれた事は直ぐに理解出来た。
上半身を起こそうとした時、ズッキンッと嫌な痛みが頭を走った。
「いってぇ……」
頭を抱えると、包帯が巻かれてある事に気がついた。そのまま確認するように自分に触れていく。
右頬にはガーゼ、鼻にはティッシュ。まるで喧嘩後のような有様で失笑する。鼻に詰められた血濡れティッシュを乱暴に引き抜いてゴミ箱に投げた。
カーテンがスライドして、北大路が顔を出した。いつもの爽やかな笑顔をふりまいている。
「調子はどう……?」
「なんともねぇよ、これくらい。つか、今何時」
元気な事を示すために大袈裟に巻かれた包帯を解いてみせた。
「今は17時だけど」
「やべぇ、部活始まってんじゃん」
ベットから降りようとした時、肩を抑えられた。
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