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足を荒々しく動かして抵抗すると、北大路の足と絡まって、バランスを崩した。
「――あぶな……」
瞑っていた目を開ける―――
体温が体にひろがる。早まる鼓動は強く脈打って、緊張してる事を自覚する。じわりと額に汗をかく。生暖かい息遣いが耳を触って筋肉が強ばる。
「怪我はない……?」
「お、おう」
良かったと俺の頭を撫でた。体勢を戻すかと思えば俺を見つめて離さない。
「どけよ、重いって」
真っ直ぐ瞳を捉えられたら離れられない。顔が熱していくのが耐えられなくてそっぽ向いた。
「もうちょっと……このままでいちゃだめ?」
「だめ」
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