129人が本棚に入れています
本棚に追加
拒否しても離れることの無い体。力づくて今度こそ離れてやろうと力を入れたとき、北大路がぼそっと口を開いた。
「あのさ……本当に僕の事……覚えてないの」
そんな切なそうな顔するから、隠していた言葉が思わず出そうになって、慌てて口を噤んだ。
「………」
「ねぇ、なんとかいいなよ」
「……知らねぇって」
目を合わすことが出来ない、ただずっと一点を見つめた。そんな無抵抗の俺に唇をそっと重ねた。
「あの時のキス忘れちゃったの」
「……なん……何度も言わせんなって……」
最初のコメントを投稿しよう!