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「で……? なんだかんだ仲良いみたいだけど」
「こっちは迷惑してんの。隙あればちょっかい出してくるし、しかも毎朝迎えに来るんだぜ」
「すげぇ懐かれてんじゃん。なんかしたのかよ」
「なんもしてねぇよ」
「でも、なんでそんなに北大路君のこと嫌がってんの?」
「な、なんでって……」
つい吃ってしまった。蓋していた記憶がこぼれて慌ててぎゅっと蓋をした。
「とにかく、俺はベタベタしてくる奴は嫌いなの。距離感考えろっつうの」
「ふーん、具体的なきっかけはないんだ」
藍はつまんなそうに頬を手に預けた。ちょうど予鈴がなって二人は自分の席に戻って行った。
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