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チョークを手にしてもやっぱり分かるわけなくて、頭をかいた。
「わかんねぇ」
「じゃあ……北大路、答えを書いてやれ」
「はい」
静かに返事をして立ち上がり、俺の前まで来たから、自分の席に戻ろうとした時、腕を掴まれた。
「なに」
「チョークもって」
渡されたチョークを受け取り、黒板に向かうように指示されたので、その通りにする。背後から左手で俺の腰に手を回し、右手でチョークを持つ俺の手に重ねてきた。
「な、なん……」
「覚えられるように、僕が教えてあげる」
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