会いたかった?フランスからきた帰国子女

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 良いところで話が途切れたもどかしさから間宮は自分の太ももを叩いた。みんな席に着いても、教室が静まることはなかった。何故なら、先生の後ろには転校生が立っているからだ。 「静かにー」と先生が何度呼びかけても、変わることのない教室。  すると転校生は先生の肩を叩いて何かを口にした。何を言ったのかは、窓側の一番後ろの席に座る俺には聞こえる訳もなく、手で顎を支えて、ぼうっと眺めた。   その後、黒板に名前を書き始めると、騒がしかった教室も少しづつ静かになって、書き終わる頃には息遣いが聞こえてきそうな程、静まり返っていた。  転校生は振り返った―――。
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