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「フランスのどこからきたの？」
「兄弟はいるの？」
「好きな食べものは？」
「彼女いるの？」
「ちょっとまって、一人づつしか答えられないよ」
質問責めに困って、はにかむ北大路に女子達はうっとりと見とれる。その姿に不満を隠しきれない男子生徒は口々に「やっぱり顔ですか」と愚痴をもらす。
「はぁ？ 顔だけじゃなくて秀才で博学、運動もできる」
「しかも性格だって、あんたらと違って――」
「彼らを悪く言うのはやめて。僕はみんなと友達になりたい」
まるで、私のために争わないでと嘆く悲劇のヒロインのような言葉をさらりと言ってしまうから、男子は黙ってしまった。
こんな言葉を使えるのは少女漫画のヒロインと北大路だけだと不覚にも思ってしまったのだ。
「あらあら、さっそく人気者だな」
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