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「……いてて」
頭を押さえながら一人の少年が起き上がった。
長身でやや筋肉質。
少し茶色かかった髪は天然パーマでゆるふわ。
キリッとした瞳が印象的。
彼の名前は城川 凛太郎(しろかわ りんたろう)。
「あ、目が覚めた?
良かった~」
ベッドサイドで少女は喜ぶ。
中肉中背で黒髪のボブカットがよくにあう。
くるっとした瞳に赤ふちのメガネをしている。
彼女の名は柏原 雪乃(かしわばら ゆきの)。
「雪乃?
……って、ここは?」
何が何かわかっていない凛太郎はキョロキョロと辺りを見渡した。
「保健室。
廊下でひっくり返ってたから運んだ。
センセーいなかったからあたしが見てたの」
雪乃は自慢げに威張る。
「そうか。
ありがとな」
ポリポリと凛太郎は頭をかいた。
「なーんで廊下でひっくり返ってたの?」
大きな目をぱちくりとさせて、雪乃は凛太郎を見た。
「んー。
わからない」
「あたし、知ってる。
ごり子ちゃんに吹っ飛ばされたんだよ~」
何だか楽しそうに少女は言う。
長い黒を二つおさげにして、前髪をサイドで止めている。
雪乃より、やや小さい。
彼女の名は……!?
「あー。
ごり子が凄い勢いで走ってきて吹っ飛ばされたなぁ~」
凛太郎は記憶を辿る。
クラスでめちゃガタイがいい女の子、通称・ごり子が凛太郎をめがけて突進してきやがった。
で、失神。
凛太郎の記憶がフツフツと甦る。
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