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雹虎、鉄、雰斗と順に姿を現した三人は、各々が全身傷だらけでそこそこ重傷であり、おまけに崩れた瓦礫による砂埃が全身を汚しており満身創痍のようだが、何故か誰もがそれを感じさせない。
雹虎と鉄が先に翔次の側まで駆け寄って不平不満を垂れるが、それに対し翔次は無表情のまま相手にしない。
一方で雰斗は落ち着いた様子で、まるで本当に寝起きであるかのようにゆっくりと歩を進め、他の二人とは遅れて合流する。
「御託はいい、とりあえず先にあいつを討ち取るぞ」
「どっちが御託じゃ!!」
そんな四人のやり取りを陰ながら見守る柊は、明らかに喧嘩をしているのに何故か険悪な雰囲気は感じなかった。
更にそこへ裕紀も合流すると、最年少ながら瞬時に纏める。
「後でボロクソ文句言ってやるからな、覚悟しとけよ!とりあえずは全員であいつぶっ倒すのが先だよな!!」
「上等だ…」
最後に柊は漸く気付いた。
「仲間か、いいな……」
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