~第弐幕~

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話を聞くと言っても、柊はなかなか口を開かないまま時間だけが漠然と過ぎ、いつの間にか夜も明けていた。 路地裏で人通りの少ない狭い場所で、柊は自分でも気付かない内にいつの間にかベンチの上で三角座りをしたまま俯いて眠ってしまっており、日の灯りが挿すと共にゆっくりと瞼を開き、目を覚ます。 「あ……!!」 「…漸く起きたか…」 一方で翔次は、柊のすぐ側の電柱に腕を組んで凭れ掛かり、立ったままの体勢で一晩中一睡もせずに待ち続けていた。 「もしかして…寝てないの…?」 相変わらずの無表情だが驚きは隠せない柊は目を大きく見開き、若干だが表情が崩れる。 それに対し翔次は、 「当たり前だろ…」 素早く刀を抜き、咄嗟に柊の頭上から襲い掛かってきた幻妖を一刀両断しながら返した。 「……!!」 「俺までがおちおち寝てたら…誰が無防備なお前を護るんだよ…」 心なしか、柊の頬がほんの微かに赤く染まる。
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