~第弐幕~

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その時のトラウマが原因で柊は心が壊れてしまい、一方で豹変してしまった父は窓を突き破って何処かへ飛び出してしまったという。 柊だけは辛うじて助かったものの、しかし何故か無意識の内に、気付いた時には繁華街の路地裏で彷徨っていたらしい。 その時に偶然、突然目前に翔次が姿を現し、二人は出会った。 「…事情はわかった…」 翔次は、ある程度柊の背景は理解したようだが、しかしこの話だけでは何故柊が幻妖に狙われるようになってしまったかまではわからない。 話を聞く限り、柊の父親は確実に幻妖に堕ちているようだった。 何故一般の人間が何の前触れもなく突然幻妖に堕ちてしまったのかも不明で、あまりにも謎が多過ぎる。 「お父さんの事も…殺しちゃうの…?」 翔次が幻妖を狩っている事、そして自身の父親が幻妖になってしまったという事を理解してしまっている柊は、哀しそうな声色で恐る恐るそう尋ねると、それに対し翔次は無情とも思える程冷たく、吐き捨てるように答えた。 「…幻妖なら斬る…」 「……」
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