~第弐幕~

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確かに翔次は常に表情は険しく、幻妖に対しては一切の容赦も無く、言葉遣いも荒く冷たく無愛想な印象だが、反面その太刀筋は正確でどの幻妖をも確実に一撃で仕留めており、剣技の達人である事は間違い無く、しかも無関係な人間は絶対に傷付けないような戦い方を心掛けているように、柊には見えた。 翔次の戦い方は一見しただけでは荒々しく見えるが、その実は誰かを護る事に長けていると感じる。 きっと彼は優しいヒトなのだと、たった一晩一緒にいただけでも柊には伝わった。 「優しいんだね…」 「あぁ…?」 翔次本人にその自覚は無いという所まで柊は気付き、そして今回も自身は護られている。 そんな翔次に対し柊は、恩を受けてばかりで自身は何も出来ていない為、どうにかして恩返しが出来ないかと考えるようになった。 「あ、あの……」 「なんだ…?」 「お願いがあるんだけど…」
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