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そう言って柊は半ば強引に元来た場所へ振り返り、繁華街近くの商店街を物色し始めた。
先ず初めに小物等を揃えた雑貨屋を覗き、次に並びにある本屋に入り、続いて更にまた隣の洋服屋へ、また更に続いて隣の店へと順に梯子し、一方で翔次はその都度店頭で腕を組みながら退屈そうにジッと待つのみ。
人通り見終えると、今度は少し離れた場所にあるアパレル通りへと向かい、そこで色んな服を見て回った。
時は流れ、いつの間にか昼飯時も過ぎる頃になると柊も漸く自身の空腹に気付き、腹の虫が鳴る。
それに気付いたのか翔次は、遂に重い口を開いた。
「…飯にするか…」
「う…うん…」
翔次は適当に近くにあったカフェで腰を下ろすと、柊もその向かいの席で少し頬を赤らめながら腰を下ろす。
柊は手頃な軽食のセットを注文をするが、しかし翔次は何も注文しない。
「何も頼まないの……?」
「…俺はいい…」
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