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柊も慌てて完食して外へ出ると、その店頭で翔次は相も変わらず退屈そうに腕を組んで待っていた。
「ごめんなさい…お待たせ!!」
「……」
柊が出てくると翔次は振り向きもせずすぐに歩を進め始め、柊もすかさずすぐに続いて追い付くと、少し消え入りそうな声で小さく口を開く。
「なんか、デートみたい……楽しかった」
「…ふざけんな…」
表情は変わらないものの声を弾ませてそう漏らすと、不意に口走ってしまった事に気付いて少し頬を赤く染めた。
そして同時に自覚してしまう。
『私…このひとの事が、好きみたい……』
まだ会って間も無い翔次に対し柊は、密かに恋をしてしまっていた。
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