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そんな裕紀を雰斗が咄嗟に糸で絡めて救出すると、たった今裕紀がいた箇所に巨大な亀裂が走る。
「小賢しい!!」
ヨシツネはすかさずキッと目で糸を手繰って雰斗の居場所を把握し、そこへ向かって唾液を吐き掛けた。
雰斗は咄嗟に両腕を交差させて防御するが、粘着いたそれは全身に絡み付き、勢いも相まって背後に転がり、更に執拗に拘束される。
「雰斗!!」
そんな身動き出来ない雰斗のトドメを刺すべく、ヨシツネは大きく開いた巨大な掌で叩き潰した。
アスファルトが砕けて地にめり込んだ雰斗の元へ裕紀はすぐに駆け寄ろうとするが、ヨシツネはすかさずそこへ殺気を纏った視線を向ける。
「裕紀さん!!」
裕紀の危機を悟った柊が咄嗟に裕紀の名を叫ぶが、間に合わない。
ヨシツネは既に裕紀目掛けて腕を振るっていた。
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