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しかしその次の瞬間、
「鬼殺羅流十六式・蛟牢!!」
突然裕紀を凄まじい業火が厚く纏い、ヨシツネの掌を弾く。
「あぁ………寝覚めが悪い、夢でも見てんのか俺は……」
それから一歩遅れて姿を現したのは、まるで寝起きであるかのように気怠げで重い足取りの翔次だった。
「遅ぇよ翔次!!」
「翔次さん!!」
雹虎、鉄、雰斗の三人が既にやられてしまった状況で漸く現れた翔次に対し裕紀は怒鳴るように叫ぶが、しかし翔次はアクビでもしているかのように俯いた状態から暫く沈黙し、静かに口を開く。
「いつまで寝てんだてめえら……さっさと起きろ。今回は大分手こずりそうだ、手伝え!!」
そう言いながら翔次が刀を肩に担ぐと、三方から一斉に三人が飛び上がった。
「こっちゃあ死にかけとんじゃけぇ、なんじゃその言い種は!!」
「そうぜよ、おんしから先にぶっ叩斬っちゃろか!!」
「おはよう旦那……」
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