~第壱幕~

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しかしその時、 「……!!」 突然その場に、たった今翔次が斬り捨てた幻妖とはまた別の幻妖が何処からともなく姿を現し、有無を言わず少女に襲い掛かる。 それに対し翔次は咄嗟に左腕で少女を肩から懐に抱き寄せ、同時に右腕で抜いた刀で応戦した。 そしてすぐさま容易く斬り捨てるが、しかし直後にまた、今度は四方から数体の幻妖が一斉に飛び掛かってくる。 「鬱陶しい!!」 翔次はまた咄嗟に少女を片腕で抱え上げ、全身を大きく回転させながら大きく刀を振るった。 「鬼殺羅流七式…」 「……!!」 その時、刀の刀身には業火が纏い、太刀筋に合わせて螺旋を描いて天に舞い上がる。 「鬼焼き…!!」 その凄まじい業火は瞬く間に四方の幻妖を焼き払い、纏めて薙ぎ倒した。 翔次が携える愛刀"キサツラ"は炎を生む妖刀であり、そしてそれを扱う流派は我流混じりの"鬼殺羅流"…炎を操る剣術をいう。
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