~第捌幕~

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「鬼殺羅流三十二式…」 竜の鈎爪を模したように頭上で高く構えた刀の切っ先を弧を描くように振るい、その刀身から発された業火は三日月を形作った飛ぶ刃となり、徐々にヨシツネを腹部から首筋に掛けて深く切り裂く。 「龍首狩り!!」 通常なら全身を真っ二つに切り裂く大技なのだが、やはりヨシツネの巨体故に表面を傷付けるだけで致命傷は与えられていない。 それならばと翔次はすぐに刀を鞘に納め、柄に手を添えたまま切り傷をなぞるように走り出した。 「鬼殺羅流三十九式…」 そしてヨシツネの胸元辺りでバッと跳躍し、素早く刀を抜く。 「"居合い"龍割り!!」 抜刀時に炎を放出する事で速度を増した居合いは、ヨシツネの巨大な顎を斬るが、それでもまだ足りない。 「鬼殺羅流四十二式…」 居合いの速度を殺さぬよう弧を描いた太刀筋は、天地を繋ぐかのように縦一閃を斬る。 「"居合い"天斬!!」
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