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雰斗は咄嗟に翔次を脇に放り投げ、自身のみがヨシツネに捕まる。
「雰斗!!」
ヨシツネはそのまま雰斗をビルの壁に叩き付け、瓦礫に沈んだ。
「裕紀!!」
「わ、わかった!!」
雰斗の機転により難を逃れた翔次はすぐにバッと立ち上がり、すぐに裕紀には雰斗の救出に向かわせる。
一方で翔次は、手元を微かに震わせながらゆっくりと立ち上がり、その鋭い視線をヨシツネに向けた。
「俺をキレさせた事が、お前の運の尽きだ……」
そう言いながら翔次は自身の左耳に手を当て、
「もしかして、翔次さん……!!」
その意味を、近くで見守っていた柊はすぐに理解する。
「後悔しろ、お前はもう灰塵すらこの世に遺す事はない…」
そう言いながら翔次は、左耳の最後の一つのピアスを外し、無造作に地に落とした。
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