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「どういう事だ…?!」
四方を囲む幻妖を纏めて焼き払いはしたが、ふと違和感に気付く。
従来の幻妖なら、その殆どが獣並みに知能が低く、狩りとして人間を襲う場合は特に選り選り等せず手当たり次第に襲う事が多い。
しかし今回現れた数体の幻妖は、少し離れたところにも人込みはいる筈なのに、何故かピンポイントでこの少女を狙っているように翔次には見えた。
「お前、何者だ…?」
「……」
翔次はすかさず本人に尋ねるが、少女はゆっくりと重い口を開くよりも前にまたしても四方を数体の幻妖が囲む。
「埒が明かねぇ…!!」
この路地裏の狭い場では、複数を相手に大太刀を振るって迎え撃つには分が悪い為、翔次は少女を抱えたまま走り出した。
その道中で翔次は、また少女に尋ねる。
「お前、名は…?」
それに対し少女は、固く口を閉ざした状態から漸く重い口を開いた。
「柊(シュウ)…」
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