公爵令嬢、解体ギフトを得る

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公爵令嬢、解体ギフトを得る

 この世界には15歳になると成人として認められ今後生きる為に必要な(ギフト)を授かる。  私ソフィア・ローラントも神殿に呼ばれギフトを授かる儀式を受けている。 「世界を護りし神々よ、この者にギフトを与えたまえ」  神官様の祈りに答えるかの様に私がいる魔方陣が光り私の体を包んだ。  体内に『何か』が入ってくるのを感じる。 目映い光は徐々に消えて静寂が戻った。 「神官殿っ! 娘に与えられたギフトはっ!?」  私の父であるコリック・ローラント公爵が神官様に聞いてきた。 「ソフィア様に授かれたのは······、えぇっ!?」  神官様は私に与えられたギフトが書かれている紙を見て驚きの声をあげた。 「し、神官殿?」  父は不安そうな表情をしている。 「その、何と言いましょうか······、これは神々の決定ですので、我々教会が意図的に操作出来る事ではありませんので」  ごめんなさい、神官様の発言で大体察しました。 『あっ、コレ公爵令嬢として相応しくないギフトをもらったな』と。 「どんなギフトを貰おうと娘である事は変わりは無い!」 「わかりました······、ソフィア様に与えられたのは『解体』です」  その瞬間、私を含めて全員が固まった。  そして、私の中でガラガラと音を立てて崩れていった。  私はアルケミア王国のローラント公爵家の長女として生まれた。  由緒ある家に生まれ家族や周りにも優しくされ蝶よ花よと育てられてきた。  勿論、貴族としてのマナーや立ち振舞いもしてきた。  しかし、『解体』を与えられた現在、そんな日々が全て無駄に思えてきた。  神殿からの帰りの馬車の中は重苦しい空気が漂っていた。  父は頭を抱えている。  私だって心の整理が追いついていない。 「はぁ~······、ミディアに何と報告すれば良いのか······」  ミディアというのは母の名前だ。  母は元王女で父とは幼い頃から婚約関係にあり成人になったと同時に結婚し我が家に入った。 「お父様、申し訳ありません······」 「お前が悪い訳じゃない、ミディアはまぁ受け入れてくれるだろう、ただ問題は周りの視点だ。ソフィア、間違いなくこれから好奇な目で見られる事になるだろう。だが私達はお前の味方である事は変わらない」 「ありがとうございます、お父様」  この時は私は何と良い家族を持ったんだろう、と思っていました。  1年後に妹のレイシアが『聖女』のギフトを授かり、あっさりと私は棄てられたんですけどねっ! 
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