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「うん……大丈夫、問題なく動かせる……」
ミカンは手を開いたり、閉じたりしながら、そう答えた。
でもその顔は少し不思議そうだった。
確かに、『KKK』の効果時間は8時間という話だった。
それなのに、どうして……。
「ねぇ皆さん、コンテニューとは一体どういうことでしょうか?」
クビキリーナがそう言って、小さく首をかしげる。
「一瞬でここに移動していましたし、時間も朝に戻っていますし、この席も……一体何が起きているのでしょうか?」
そうだ……。
そういえば、あのとき、廊下にいなかったキヨスク、クビキリーナ、図我、蛇邪丸の四人は、何があったのか把握出来ていなかった。
「いいだろう……ゴホッ、ゴホッ。私から、何が起きたのか説明してあげようではないか……ゴホッ、ゴホッ」
そう言って磯烏は、四人に今まであったことを説明し始める。
特殊部隊から血夜来を救い出しに行ったこと。
ルカが捕まり、追いかけたら、新しい学園ミッションが発生したこと。
そこで僕がルカとのキスを断り、代わりにミカンとキスをしたこと。
そして、ルカが死に、コンテニューと引き換えに血夜来が自ら死んを選んだことを……。
「だから、血夜来ちゃん、いなくなってたんだね〜」
キヨスクはそう言って、悲しむ素振りも見せずに、クスクスと笑う。
「しかし、コンテニューとは一体? それにこの席はなんだ?」
図我の当然の質問に、僕は小さく首を横に振る。
「僕たちにも分からない……。でも、もう一度学園ミッションをやり直すことができるらしんだ……」
そして、予想通りとでも言うのだろうか、教室内に声が響く。
『みんな、おっはよ〜♪』
しかし、その声は今までの、まるでそれを生業にしているかのような無駄に渋い男の声では無かった。
テンションの高い子供か、あるいは女性の声。
どちらとも判別のつかない、アニメのキャラクターのようなコミカルな声だった……。
『あれれ、どうしたんだ〜い? みんなして、口から内臓をぶち撒けたかのような顔しちゃって?』
口から内臓をぶち撒けたって……それは一体どんな顔なんだ?
『そんな脳みそで作った味噌スープを飲んだような顔してないで、ほらほら、この時を一緒に喜ぼうよ!!』
黒板側の壁に設置された巨大な液晶ディスプレイが点灯し、現れる一人の人物。
それは、キスラビットと似た、しかしキスラビットとはまた違う人物。
『ようこそ! 《デッドリーデスデス学園》へ!!』
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