#10「青い転校生」

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「デッドリーデスデス学園……?」 いや、ここは『ラブリーキスキス学園』じゃなかったのか? 僕がそう聞く前に、キスラビットは言葉を続けた。 『その通り! ここはデッドリーデスデス学園。私はこの学園の校長デスラビットだよ♪』 「デスラビットって……テメェ、さっきまでキスラビットって名乗ってたじゃねえかッ!?」 イライラした様子でデス子が声を荒げる。 しかし、デスラビットはなんのことか分からないといった様子で、こいつはその言葉を否定する。 『キスラビット? いいや、僕はこの学園の校長デスラビットだよ♪』 「それにそもそも、ここもラブリーキスキス学園とかふざけた名前で――――」 『いいや、ここは、デッドリーデスデス学園。僕はこの学園の校長デスラビットだよ♪』 「……チッ」 無意味なやり取り。 そのことに気づいたのか、デス子は舌打ちをついて、それ以上は何も言わなかった。 繰り返される、前回と似た言葉。 でも微妙な違いがそこには存在し、僕たちの頭は余計に混乱していく。 「デスラビット、一体これはなんなんだ!? コンテニューって、なんだったんだよ!?」 少しでもこの混乱を解消したかった。 ただでさえ、ぼうっとする頭。 このままでは、どうにかなりそうだった。 でも、僕の質問に彼は首を傾げる。 『……コンテニュー? さて、何を言ってるのかな〜?』 「だって、さっき僕たちに――――」 『さっき? 僕がみんなに会うのはこれが初めてだよ〜』 「えっ……?」 『ウフフフフ♪ こんな、今にも心臓が爆発して、目から眼球と血が飛び出そうな感動的な出会い、僕が忘れるわけないじゃないか〜』 一体どういうことなんだ、これは……? キスラビットとデスラビットは違う人物。 見た目こそ似ているものの、喋り方も、人格も違う存在。 まるで、違うパラレルワールドにでも迷い込んでしまったかのような気持ちの悪さ。 理解不能な展開に、僕たちは徐々に言葉を失っていく。 『さてさて、みんな〜、自分たちの首を確認してごらん♪』 確認するまでも無かった。 僕たちの首には、前回同様にドカンちゃんが巻かれていた。 そして、デスラビットは、さも僕たちがそのことを知らないように、得意げに首輪の説明をし始めた。 その説明自体は、前回と全く変わらなかった。 『みんなが混乱するのもよ〜く分かるよ〜』
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