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「デッドリーデスデス学園……?」
いや、ここは『ラブリーキスキス学園』じゃなかったのか?
僕がそう聞く前に、キスラビットは言葉を続けた。
『その通り! ここはデッドリーデスデス学園。私はこの学園の校長デスラビットだよ♪』
「デスラビットって……テメェ、さっきまでキスラビットって名乗ってたじゃねえかッ!?」
イライラした様子でデス子が声を荒げる。
しかし、デスラビットはなんのことか分からないといった様子で、こいつはその言葉を否定する。
『キスラビット? いいや、僕はこの学園の校長デスラビットだよ♪』
「それにそもそも、ここもラブリーキスキス学園とかふざけた名前で――――」
『いいや、ここは、デッドリーデスデス学園。僕はこの学園の校長デスラビットだよ♪』
「……チッ」
無意味なやり取り。
そのことに気づいたのか、デス子は舌打ちをついて、それ以上は何も言わなかった。
繰り返される、前回と似た言葉。
でも微妙な違いがそこには存在し、僕たちの頭は余計に混乱していく。
「デスラビット、一体これはなんなんだ!? コンテニューって、なんだったんだよ!?」
少しでもこの混乱を解消したかった。
ただでさえ、ぼうっとする頭。
このままでは、どうにかなりそうだった。
でも、僕の質問に彼は首を傾げる。
『……コンテニュー? さて、何を言ってるのかな〜?』
「だって、さっき僕たちに――――」
『さっき? 僕がみんなに会うのはこれが初めてだよ〜』
「えっ……?」
『ウフフフフ♪ こんな、今にも心臓が爆発して、目から眼球と血が飛び出そうな感動的な出会い、僕が忘れるわけないじゃないか〜』
一体どういうことなんだ、これは……?
キスラビットとデスラビットは違う人物。
見た目こそ似ているものの、喋り方も、人格も違う存在。
まるで、違うパラレルワールドにでも迷い込んでしまったかのような気持ちの悪さ。
理解不能な展開に、僕たちは徐々に言葉を失っていく。
『さてさて、みんな〜、自分たちの首を確認してごらん♪』
確認するまでも無かった。
僕たちの首には、前回同様にドカンちゃんが巻かれていた。
そして、デスラビットは、さも僕たちがそのことを知らないように、得意げに首輪の説明をし始めた。
その説明自体は、前回と全く変わらなかった。
『みんなが混乱するのもよ〜く分かるよ〜』
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