#10「青い転校生」

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【☓月☓☓日(☓) 午前9時00分 デッドリーデスデス学園 / 1年B組教室】 『《クイズ・デッドリーデスデス学園21》!!』 デスラビットの掛け声と共に、教室の中に響くチープなBGM。 色鮮やかなライトが僕たちを照らし、どこで誰が操作しているのか分からないが、観客の歓声と拍手が鳴り響く。 まるでテレビ番組のようなタイトルコール。 これはあの時と酷似していた……。 「……クイズ・パンデミック21」 腕を組みながら鬼瓦はそう呟いた。 嫌でも思い出される、あの時と似た名前と展開。 ただの偶然か、それとも僕たち確実に陥れるための策略なのか……。 でも、『パンデミック21』とは明らかに違うところが一つだけ。 あのときは、僕たちはスマホで動画を見ているだけの”視聴者”にしか過ぎなかった。 でも、今僕たちが座っているのは解答者席。 デスラビットが説明するまでもなく、僕たちはこのクイズの”参加者"ということだった……。 『というこで、解答者のみんな〜。ぜひぜひ、クイズに正解して、生きたまま元いた場所に戻ってくださいね〜、ウフフフフ♪』 『でも……』デスラビットはそう付け加える。 『クイズに間違えちゃうと、首に巻かれたドカンちゃんが、ドカンってしちゃうから気をつけてね〜。秒で死んじゃうからね〜』 やっぱりそういうことか……。 これはデスゲーム、前回と何も変わっていない。 僕たちを殺すためのゲーム……。 『ウフフフフ♪』 勿体ぶるようにデスラビットは笑う。 誰でもいいから、なんで笑ってるのか、聞いて欲しいといったようにわざとらしく。 『ウフフフフ♪』 もう一度。 理由を聞いたところで、良いことなんてなにもない。 無視を決めこもうとしたが、デス子のイライラは限界だった。 「何笑ってだ……ウサギ野郎?」 『ウフフフフ♪ みんなに紹介したい人がいるんだ』 「紹介した人? それは誰だ?」 『今回の”ゲスト”だよ♪』 「ゲスト……ゴホッ、ゴホッ。ゲストとは、私達以外のこのクイズの参加者のことか?」 磯烏の質問に、デスラビットは曖昧な返事を返す。 『う〜ん、参加者というか、観覧者というか……まあ、クイズには参加せずに、みんなの有志を見守ってもらう人物だよ〜』 「チッ……分かったから、とっととそのゲストとかいうやつを連れてこいよ!」 『じゃあゲストの紹介だよ〜。今回のゲストはこの人だ!!』
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