#10「青い転校生」

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【☓月☓☓日(☓) 午前9時9分 デッドリーデスデス学園 / 1年B組教室】 「ルカ……どうしてお前が……?」 鬼瓦はまるで幽霊でも見るかのような目で今回のゲストを見つめていた。 僕たち同様に、首にドカンちゃんを巻いたルカの姿を。 他のクラスメイトたちの殆どが等しく似たような表情。 恐らく僕もみんなと同じように、口を大きく空けて馬鹿みたい顔を今浮かべていることだろう。 だって、ルカはついさっき死んだばかりで――――。 「ちょっとそこの図体だけデカイ、そこのあなた!!」 ルカは鬼瓦のことを勢いよく指差した。 「な、なんだ!?」 「私が自己紹介する前に、勝手に名前を呼ばないでちょうだい!!」 「えーと、それは……申し訳ない……」 このやり取り、デジャブだった。 それにこの棘のある喋り方も、見た目も、小石照ルカに間違いなかった。 僕の視線は彼女の足へと向けられる。 もし彼女が幽霊ならば、足はついてないはずだ。 「これと言って特徴の無い、そこの平均顔男子!!」 またルカが声を張り上げる。 「なに人の足、ジロジロ見てるのよッ!?」 いや、えーとそれは……。 「足ついてるかなーなんて思いまして……」 「ついてるに決まってるでしょ!!」 「そ、そうですよね。それは――――」 そこまで言いかけて、僕はある違和感に気がついた。 「えっと、ルカ……? もしかして、僕たちのこと、覚えていないのか?」 そうだ、このやり取り、前回と全く同じだった。 でも、前回と全く同じになるはずがない。 なぜなら、さっきまで僕たちは彼女と一緒にいた。 僕は彼女とキスまでしようとしていた。 それなのに、こんなやり取りになんてなるはずがなかった。 「何言ってるの、あなた? 私とあなたたちが会うのは今日が初めてよ」 今更驚きはしなかった。 ルカは僕たちのことを知らない。 キスラビットが言っていたように、このゲームは本当にコンテニューされた。 つまり、最初からやり直された。 だから死んだはずのルカが生き返って、ここにいる……。
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