#10「青い転校生」

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あまりに突然すぎる出来事。 思いのままに声を荒げる鬼瓦をよそに、他の者たちは全員言葉を失っていた。 人の死なんていつも唐突で、突然で、呆気なく、まともな理由なんて存在しない。 それにしても、今の図我の自殺はその理解を超えていた。 図我は図工室で、ドカンちゃんを解除できないか調べていた。 この中の誰よりも、ドカンちゃんについて知っていたはずだ。 それに、赤いボタンを押したら、爆発することはマーガリートの死をもって知っていたはずだ。 それなのにどうして、自殺なんかを……。 図我は言っていた。 『この世界の秘密』『この世界から元いた場所に戻る方法』と……。 つまり、図我は何かに気づき、そしてその何かを達成するため自殺した……。 でも、自殺を選ぶほどの理由なんて、一体何があるというのだろうか? 「なによこれ……なんであの人は急に死んだのよ……一体なんのよこれはッ!?」 半ば狂乱したようにルカは大声を上げていた。 「誰か答えなさいよ!! 一体何が起きてるのよッ!?」 『う〜ん、うるさいゲストだな〜。鼓膜が破れて、心臓が目ン玉から飛び出しちゃいそうだよ』 デスラビットがそう言うと、『プシュ』と空気が一気に吐き出されるような音が微かに聞こえた。 「……あっ」 ルカの小さな声、それと同時に、彼女は教室の床に倒れた。 「ルカ……ッ!!」 僕はボックス席から身を乗り出し、彼女の様子を確認する。 ドカンちゃんが爆発した様子は無かった。 『ウフフフフ♪ 安心して、彼女は大切なゲスト、まだ生きてるよ〜』 「ルカに何をしたんだ!?」 『少しだけ、眠っててもらうだけだよ〜。でも、残念だね〜、残念だね〜。工作院図我君……せっかくの解答者が一人減ってしまったね〜』 とても残念がっているようには思えない調子で、デスラビットはそう言った。 『悲しいね〜、友達が死ぬのはとても悲しいね〜。でも気を取り直して、僕たちは前に進もうよ』 「でも、前に進むって、一体何をすればいいのかな〜?」 キヨスクの質問に、デスラビットは待ってましたと無邪気に笑う。 『そうだね、そうだね! みんなももう待ちくたびれちゃってるよね!!』 いや、別に待ちくたびれては……。 『じゃあ早速始めようか! クイズ・デッドリーデスデス学園、第1問を!!』
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