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あまりに突然すぎる出来事。
思いのままに声を荒げる鬼瓦をよそに、他の者たちは全員言葉を失っていた。
人の死なんていつも唐突で、突然で、呆気なく、まともな理由なんて存在しない。
それにしても、今の図我の自殺はその理解を超えていた。
図我は図工室で、ドカンちゃんを解除できないか調べていた。
この中の誰よりも、ドカンちゃんについて知っていたはずだ。
それに、赤いボタンを押したら、爆発することはマーガリートの死をもって知っていたはずだ。
それなのにどうして、自殺なんかを……。
図我は言っていた。
『この世界の秘密』『この世界から元いた場所に戻る方法』と……。
つまり、図我は何かに気づき、そしてその何かを達成するため自殺した……。
でも、自殺を選ぶほどの理由なんて、一体何があるというのだろうか?
「なによこれ……なんであの人は急に死んだのよ……一体なんのよこれはッ!?」
半ば狂乱したようにルカは大声を上げていた。
「誰か答えなさいよ!! 一体何が起きてるのよッ!?」
『う〜ん、うるさいゲストだな〜。鼓膜が破れて、心臓が目ン玉から飛び出しちゃいそうだよ』
デスラビットがそう言うと、『プシュ』と空気が一気に吐き出されるような音が微かに聞こえた。
「……あっ」
ルカの小さな声、それと同時に、彼女は教室の床に倒れた。
「ルカ……ッ!!」
僕はボックス席から身を乗り出し、彼女の様子を確認する。
ドカンちゃんが爆発した様子は無かった。
『ウフフフフ♪ 安心して、彼女は大切なゲスト、まだ生きてるよ〜』
「ルカに何をしたんだ!?」
『少しだけ、眠っててもらうだけだよ〜。でも、残念だね〜、残念だね〜。工作院図我君……せっかくの解答者が一人減ってしまったね〜』
とても残念がっているようには思えない調子で、デスラビットはそう言った。
『悲しいね〜、友達が死ぬのはとても悲しいね〜。でも気を取り直して、僕たちは前に進もうよ』
「でも、前に進むって、一体何をすればいいのかな〜?」
キヨスクの質問に、デスラビットは待ってましたと無邪気に笑う。
『そうだね、そうだね! みんなももう待ちくたびれちゃってるよね!!』
いや、別に待ちくたびれては……。
『じゃあ早速始めようか! クイズ・デッドリーデスデス学園、第1問を!!』
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