VS ROKUNOKUNI ROUND2

4/6
前へ
/138ページ
次へ
「おおっと!一体何が起こったのでしょうか!?」 ミトの驚きの声が会場に響く。 それも無理はない。 自慢の鼻と首で猛威を振るっていたパオとラフが、突然、揃って倒れたのだ。 「天然のは慣れとんかもしれんけど、人工の毒は抗体が出来とらんみたいやな」 倒れる2匹の動物を眺め、架純が言い放つ。 「ちょっと。で、低俗な口調はやめてって言ったでありんす」 その背後に、もう一人の架純が出現し、膨れっ面で注意を始めた。 先にいた架純が「すまんすまん」と詫びを入れる。 一体なにが起こっているんだと、観客たちは揃って首を傾げた。 順に解説すると、試合開始の時点で、平吉の姿をしていたのは架純の『ハニーポット』による偽物であった。 して、架純の見た目をしていたのは、であった。 平吉イン架純は、攻撃を避けつつ、パオとラフにそれぞれ接触。 これにより『キャッシュポイズニング』の条件を達成。 それからは、本物の架純と共に姿を隠し、毒の調合に勤しんだというわけだ。 して、2人に注入した毒とは、 「どうや、相棒と記憶を入れ替えた気分は」 パオとラフ、お互いの記憶であった。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加