VS ROKUNOKUNI ROUND2

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「第2試合も壱ノ国の勝利!勝利条件の3勝まで残り1勝。早くも王手となりました!」 ミトの実況を背に、平吉・架純ペアがベンチに戻る。 「ご苦労だったな」 「ま、ええ運動になったわ」 「あちきは疲れたでありんす」 剛堂の労いの言葉に、二人がそれぞれ言葉を返す。 「はい、どうぞ!」 「真夏ちゃん、助かるわ〜」 「おおきにな」 そこに、ドリンクを持った真夏がやって来て、二人に手渡した。 腰に手を当て、それを一気に飲み干した平吉に、剛堂が声をかける。 「見てみろ。さすが自然に鍛えられてるだけはあるな」 「ん?ああ、そうみたいやな」 リング上。 そこには、少しぎこちなさを残しながらも、なんとかベンチへと戻っていくパオとラフの姿があった。 「しばらく解除せんと見守っとくか」 「見て楽しむの間違いだろ」 「ばれたか」 ケロッとした表情の平吉に、剛堂は苦く笑った。 さすがは自然と共存する国といったところか。 先にベンチに戻っていたチッタとラビも、すっかり回復していた。 海千兄弟の方に睨みを利かしているが、当の本人たちは、べちゃくちゃと喋りに夢中の様子だ。 気が早く、試合後の打ち上げの話などしている。 「さて、壱ノ国が早くも2勝し、陸ノ国が勝利するには、ここから3連勝をするしかなくなりました。一見、壱ノ国が有利に見えますが、最悪の場合、ここから1チームが3連戦を強いられる可能性もあります!よって、まだまだ結果は判りません!さあ、各国の代表は第3試合のチーム登録をお願いします!」 アナウンスを受け、壱ノ国からは剛堂が立ち上がる。 「といっても、お前たちしかいないんだがな」 視線を送るのは、透灰李空と墨桜京夜の2人である。 「頼めるな」 「任せてください」 「同じく」 実に頼もしいセリフに深く頷き、剛堂はパネルを操作した。
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