VS ROKUNOKUNI ROUND3

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VS ROKUNOKUNI ROUND3

「第3試合、壱ノ国代表 透灰李空選手・墨桜京夜選手ペア VS 陸ノ国代表 ゴーラ選手・ダイル選手ペア。スタートです!!」 「『ブラックボックス』」 試合開始早々、京夜は才を発動した。 右の掌で回転する黒い箱を、サイコロを振るようにリング上に放ると、薄い壁に形を変えた。その壁は、壱ノ国側と陸ノ国側でリングを二分した。 太一の『ファイアーウォール』をヒントに編み出した、京夜の新技『ブラックウォール』である。 「『オートネゴシエーション』」 それに合わせて、李空も才を発動。 セウズ戦でも使用した、『ブラックボックス』を貫通する光の槍が数本出現し、陸ノ国側に発射された。 太一の『ファイアーウォール』と絶妙なコンビネーションを見せた、滝壺の水鉄砲をヒントに生み出したコンビ技だ。 『ブラックウォール』を貫通できるのは光の槍だけ。 つまり、一方通行の攻撃を仕掛けることができるのである。 それなら、相手を箱の中に閉じ込めてからの方が、動きも封じられて良いように思えるが、セウズの時のように箱を乗っ取られる可能性もゼロではない。 あのような芸当ができる者が何人もいるとは考えたくないが、リスクは減らすに越したことはないという考えから生まれた壁だった。 それに、この攻撃は相手の出方を見るための牽制でもある。 滝壺・太一ペアとの修行で学んだ、主導権を握ることの大切さを存分に発揮した攻撃だといえるだろう。 「解除」 『ブラックボックス』は音も吸収するため、壁の向こうの状況はわからない。 警戒のアンテナを張り、京夜が『ブラックボックス』を掌に戻す。 して、その先に見た景色とは。 「なんだ?このひょろ長い棒っきれは?」 「歯ブラシにしちゃあ、ちと柔すぎるなあ」 光の槍を両腕で掴む獣と、強靭な顎で噛み砕く獣。 怪しく目を光らせる、2匹の怪獣の姿であった。
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