VS ROKUNOKUNI ROUND3

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「次はこっちの番だな」 両腕に掴んだ光の槍を投げ捨て、陸ノ国代表ゴーラが、李空と京夜に焦点を合わせる。 試合前と比べて、数倍にも膨れ上がったその姿は、マウンテンゴリラを思わせる迫力であった。 ゴーラは両腕を広げると、 「うほおおおおおお!!」 そのまま自分の胸を叩き始めた。 高らかな咆哮と共に、胸をリズミカルに打ち鳴らす様は、さながらゴリラのドラミングのそれである。 「な、なんだ」 「ぐっ」 耳をつんざく爆音に、李空と京夜は思わず耳を塞ぐ。 音という貴重な情報源を失った二人は、自然と視力に力を注ぐ。 そして、一つの違和感に気づく。 視界に映るのはドラミングを続けるゴーラただ一人。 もう一人の選手、ダイルの姿がないのである。 「りっくん、きょうちゃん!うしろ!!」 ベンチから叫ぶ真夏の声が、微かに二人の耳に届いた。 反射的に二手に分かれた李空と京夜。 二人が元いた場所に、カツン!と金属音が鳴り響く。 「よく気づいたなあ」 そこにいたのは、人ひとりを優に飲み込むであろう大口を開いた、さながらイリエワニのような風貌のダイルであった。 中央の上と下にそれぞれ金歯と銀歯を携えており、口を開いては閉じるたびに、それらがぶつかり合い金属音が響く。 たまらずダイルから一定の距離を取る李空と京夜。 必然的に、ゴーラとダイルに挟まれるかたちとなる。 「まずいな」 「ああ」 互いに背中を預け、構えるふたり。 言葉ではそう言いながらも、訪れたピンチを楽しむように、ふたりは揃って引きつった笑みを浮かべた。
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