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「い、今、なんて…?」
聞こえてたはずなのに、頭に入ってこない。あまりにも信じられなくて。もしかして、私の妄想が生みだした幻聴?
すごく真剣な顔で、まっすぐ私の目を見て、阿澄先生は言った。
「僕は、ゆりちゃんのことが好きだ。こんな僕だけど、これからずっと、僕のそばにいてくれないか」
心の中が熱いもので満たされる。言葉の意味を理解するよりも先に、体が勝手に動いていた。
「阿澄先生…!」
両手を広げて胸に飛び込んだ。
阿澄先生の匂いと体温。
背中にまわされる、大きな手。
その胸の中で深呼吸をして、ようやく実感した。
戻ってきたんだ。
阿澄先生のもとに。
涙があふれて言葉にならない。阿澄先生の胸に顔を埋めながら、もう一度、心の中で言った。
大好きです。今までも、これからも、ずっと、ずっと。
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