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その3.うさぎさんのようにぴょんぴょんと跳び跳ねろ!
「あらあら。大人っぽいわねぇ」
緒美がくすくすと笑いながら、明穂を眺め見る。
「確かに大人だね。明穂ちゃん、本当にセクシーだなぁ」
ちょっとドキドキしている智夏。
「だしょだしょ? これ、明穂にお似合いっしょ! ばっちりだよね~!」
得意気な沙弥。あたしのコスチュームチョイスに間違いはなかったと、感無量のようだ。
ただし、それを着させられた当人はたまったものではない!
「ばっちり、じゃな~~~い! 何なのこれっ!? どうして私がこんなの着なきゃいけないのっ!? 何でこんな服があるの!?」
明穂が着ているもの……。
それは、テカテカしたエナメル素材の黒い布地! お尻を飾る白くて大きなふさふさ尻尾! 首元を飾るクリムゾンレッドなリボン! 黒いラインが印象的な網タイツ! そう! 明穂は今、セクシーなバニーガール姿なのだった!
長身にして細身というモデル体型にぴったりマッチしている! まさに、セクシーで大人だ!
「ううぅ……っ! 恥ずかしいよ! 恥ずかしすぎるよこんなの! 沙弥のバカーーーー! 意地悪~~~~~っ!」
「とか言いながら、ちゃんと着ちゃうんだから。明穂ったら」
と、緒美。
「明穂ちゃんって、本当に律儀だよね」
智夏もそう思うようだ。
「だ、だって……だってだってだって。沙弥が、着替えないとおやつ抜きだって言うから……。だから……」
おやつの方が重要なんだと、智夏と緒美は苦笑い。
弱々しくいじけ、もじもじと恥じらいまくる明穂。普段の凛々しい美形の雰囲気は、もはやどこにも残っていなかった。
「沙弥ぁ~。なんでサイズまで、ぴったりなの……」
「ふっふーん。あたしは明穂のことは何でも知ってるのだ~。っていうかさ。今まさに、明穂は大人って感じだよね! アダルトだよアダルトっ! バニーガールちゃんってさ、例えどんなにウブで清純な子でも、ひとたび着ちゃってみたら最後! エッロエロうさぎに大変身って感じだもんね!」
「エロうさぎ!? エロって言った!? 私、今、エロうさぎなの!? ううぅ。私……えろえろうさぎ……。うわぁ~~ん! もう、お嫁にいけないよ~~~っ!」
明穂は羞恥のあまり、部屋の片隅でうずくまり、いじけてしまった。
「あ~。泣かない泣かない。エロエロうさぎな明穂ちゃんはあたしがお嫁にもらっちゃうから。だから泣かないの~。よしよし~」
さりげなく爆弾発言。
沙弥による、とてつもなくぞんざいなプロポーズ(?)がなされていた。
「さってさて~! そんなわけなので~。明穂がエロエロうさぎちゃんにジョブチェンジしたところで! 今度はキミタチもしちゃいましょっか?」
にひひひと、不敵に笑う沙弥。見つめる先には、智夏と緒美の二人。暴走娘沙弥に目をつけられてしまった!
緒美は全く動じてなさそうだけど、智夏はその限りではなかった。ビクッと体を震わせて、小動物のように警戒していた。
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