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10分後……全部終わって帰り支度をしてたら、スタッフルームの机で何か調べものをしてた総ちゃんが「あ、そうだ」って俺の方を振り向いた。
「幸汰。今週末、友達が合コンするって言ってんだけど……お前出る?」
「行く行く!総ちゃんの友達だったら間違いなさそう!」
俺が身を乗り出したら「総司さん、このバカの代わりに相手を見てやってよ」ってシバちゃんが意地悪く笑った。
「いや、俺は行かないんだ。合コンとか……あんま好きじゃなくて」
総ちゃんは困ったように笑ったけど、それ、おかしいから!
「総ちゃんが行かないのに俺が行くのっておかしいじゃん!一緒に行こうよ!」
「他に声かけられるヤツがいたら声かけてって言われてるから大丈夫だよ。あ、もちろんシバもいいよ?興味なさそうと思ったから言わなかったけど」
総ちゃんは、ぎぃ、と音をさせて事務椅子の背もたれに寄りかかった。
「遠慮しときますって言いたいとこだけど……このバカのことも気になるしな……」
「バカは余計だよ!なんだよ、行きたいんだろ?素直に言えよぉ!」
俺がシバちゃんにヘッドロックかけてこぶしで頭をぐりぐり。いててて!って抗議の声を上げたシバちゃんが、今度は俺の足を踏んづけてくる。
「ははは じゃあ、お前ら二人出席な?そう言っとくよ」
「総司さん本当に行かないの?その友達って総司さんでメンツ集めたいんじゃないの」
「まぁ……そんなようなことは言ってたけど……大丈夫だよ」
言葉を濁した総ちゃんは、詳しい場所とか後でメールするわ、と言って笑うと、また調べものに戻った。
総ちゃんってほんと、品行方正!清廉潔白!って感じ。ちょっと潔癖症ぎみっていう一見短所なのがヤな感じじゃないのは、他が完璧過ぎるからだよねーって、白衣の背中を眺めてた。
あーそれにしても合コン!楽しみすぎる!
今度こそ運命の出会いが俺を待ってるはず!待ってて俺の未来の彼女さーん!
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