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泣きたい、やっぱり違う、コレジャナイ感満載。
ウィンドウに映る自分の姿に泣きたくなる。
いつもなら、こんな惨めな気持ちにはならない。
終わったあとは嬉しくて顔がニヤけちゃうのも自分でわかるほど。
ああ、もう自分のバカ!
もう会わない、て決めたのに。
あの人の元へ向かってる、助けて欲しくて。
いつもみたいに笑わせて欲しい、幸せな気持ちにさせて欲しい。
助けて助けて、どうにかして!
逸る気持ちを抑えて辿り着いたお店の前で深呼吸して。
パーカーのフードを目深に被って中を覗く。
一際背の高い彼の姿はすぐに目に止まる。
いた! 鈴木さんお休みじゃない!
お客さんを相手にしてる鈴木さんはいつも私にも向けてくれる優しげな笑顔を浮かべて、こちらには気づいていないみたい。
気づかれないうちに帰る?でも……。
怖気づいた気持ちを奮い立たせて、俯いたままで受付へ。
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