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駅前にあるパン屋さん、朝五時から開店して夜二十時に閉店。
けど、ここのパン屋さんに入るお客さんは少ない。
惣菜パン、菓子パン、食パン、コッペパン。
品揃えは豊富で味はそこそこ美味しいのに、お客さんの数は少ない。
朝は、近所の人が焼きたての食パンを買いに
昼は、会社員や主婦が買いにくる
夕は、部活帰りの学生さんが買いにくる
夜は、サラリーマンや値引きを狙う主婦が買いにくる
なのに、パン屋さんはくるお客さんが少ない。
それに悩む店主。
そんなある日、常連のおじいさんがコッペパンを買いにきた。
そのおじいさんは必ず、コッペパンとフルーツ牛乳を買っていく。
そのおじいさんに店主が「うちには買いにくるお客さんが少ない。毎日パンが売れ残る。」と言うとおじいさんは、「お客さんが来てるのは何で把握してるだい」と訪ねる。
「売れ残りのパンの数だよ」とこたえる店主
「それじゃ、本当に買いに来てるお客さんの数がわからないだろ。」と言うおじいさん
「因みに何が売れ残るのじゃ、」とおじいさんが聞く。
「コッペパン以外の種類が売れ残る」と店主が言う。
「それじゃ、コッペパンだけ売ってみろ!」とおじいさんが言うと帰ってしまった。
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