コッペパン

1/2
前へ
/2ページ
次へ
 駅前にあるパン屋さん、朝五時から開店して夜二十時に閉店。 けど、ここのパン屋さんに入るお客さんは少ない。 惣菜パン、菓子パン、食パン、コッペパン。 品揃えは豊富で味はそこそこ美味しいのに、お客さんの数は少ない。 朝は、近所の人が焼きたての食パンを買いに 昼は、会社員や主婦が買いにくる 夕は、部活帰りの学生さんが買いにくる 夜は、サラリーマンや値引きを狙う主婦が買いにくる なのに、パン屋さんはくるお客さんが少ない。 それに悩む店主。 そんなある日、常連のおじいさんがコッペパンを買いにきた。 そのおじいさんは必ず、コッペパンとフルーツ牛乳を買っていく。 そのおじいさんに店主が「うちには買いにくるお客さんが少ない。毎日パンが売れ残る。」と言うとおじいさんは、「お客さんが来てるのは何で把握してるだい」と訪ねる。 「売れ残りのパンの数だよ」とこたえる店主 「それじゃ、本当に買いに来てるお客さんの数がわからないだろ。」と言うおじいさん 「因みに何が売れ残るのじゃ、」とおじいさんが聞く。 「コッペパン以外の種類が売れ残る」と店主が言う。 「それじゃ、コッペパンだけ売ってみろ!」とおじいさんが言うと帰ってしまった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加