650人が本棚に入れています
本棚に追加
一日に2度同じ光景を見ることはなかなかないものの、でも今度は俺だけじゃないのだと思うと全く同じでは無い
「ま……まっ、あっ!」
硬い何かがグリグリと自分の弱い所に押し付けられて、声が上がり顔を上げる。目が合い下ろしていた手が、俺の意志とは関係なく涼太郎の頬を触る
気持ち良さに浸りスルスルと腰を動かしながらも首の方へと手を回して、寄せるように引けば力を入れず近付いてきた唇へとキスをされる
「……あんま声、我慢しなくていいから」
軽いやつをされて言われてしまう。声を我慢していたことにバレて恥ずかしさにものが言えないが、こんなやり取りを友達の抜きあいっこでするのだろうかと考えるが……
「りょーたろこそ……もうキツいんじゃないの?俺は1回抜いてるから…アレだけど」
先程手で触った時と見た目は変わらないが、表情が俺にしていた時と比べて全然違って見える
ここで妄想するのは良くないと分かっているけど、思わず考えてしまう。攻めの辛そうな姿を見て、健気に奉仕をする受けになるべきか……俺なんかにこんな顔になるのかとドキドキしてしまうか
「……そんなに食い気味に見るなよ。別にお前と同じようなもんしかついてないんだから」
「えっ……や、そう……じゃなくて」
ドキドキするのは流石に違うだろうと目線が変な所に行っていたが、その言葉を言われてハッとする。今はいいシチュを考えている場合じゃない!涼太郎のアレを見る為に俺はこの流れに乗ったのだから
そう考えた瞬間、するりと腰に手をかけ脱ごうとする涼太郎の動きをじっと見つめてしまう……いいぞ、その調子だ脱げ下ろせ!と心の俺が囁いている
「……やば」
漏れる俺の独り言に目線を向けられて、何でもないと首を振る
まだ脱いだわけではなかったがチラリと見えた、腹筋にサッと自分の腹へと手を当て同じ生き物で人間なのに何でこんなにも違いがあるのだとペラッペラの自分の身体を見つめる
「……祥春は別に鍛えなくてもいいよ、そのまんまの方が可愛い。けど飯はもっと食えよ」
「べ、別に羨ましがったワケじゃないし!お前は俺のお母さんか!」
まるでお前は俺の心を読んだのかと思うくらいの図星にたどたどしくなるし、身長が小さくて中性的な顔ならまだしも…全くそれに当てはまらない俺に可愛いはないだろう
「……幼馴染みの顔見て欲情する奴のことを、母親だと思えるのお前?」
深く考えず言った言葉に、涼太郎になんらかの火種をつけてしまったのか分からないが今さっきまでとは違うイラついた表情に頭が追いつかず
何か言葉をかけようとした時に、最初とは違い強く押し倒されてただただ無言の間に俺は何も言えなくなった
最初のコメントを投稿しよう!